はじめに
最近思っている事を書きました
令和の日本とAVに足りないのは平成マッチョイズム
ケツを叩かれたくない男達
今、世の中を見渡すと、20年前にモーニング娘。が歌っていた「明るい未来に就職希望だわ」と夢見る人は見当たらない。
失われた30年などと言われる平成でも、明るい未来を夢見ていた人は多かった。今となってはその片鱗すら感じられなくなってしまったが。
毎月の給料から天引きされる多額の社会保険料と、上がらない給料を月末に目の当たりにし、どんよりとした雲が冬空に広がっている。
蝉が鬱陶しい程に鳴き続ける夏も同じく、熱く燃え上がる様なバイブスを持ったサラリーマンはおらず、皆どこか冷めきっていた。
自宅と会社を往復し、薄暗い部屋で食べる夕飯は決まってスーパーの割引品。意中の女性とディナーデートなんて洒落込んだのは何年前の話か。
今夜もまたVRヘッドセットを装着し、疲れた自分にそっと手を差し伸べてくれる全肯定AVを再生して心を満たす。
ティッシュに放出された行き場のない性欲と精液はゴミ箱に投げ捨て、シャワーを浴びて床に就く。
暗い部屋の中で煌々と輝くスマートフォンに映し出されるのは、ネットフリックスオリジナルドラマか、YouTuberの夢の様な散財記録か、はたまた生産性のないSNSか。
近い様で遠い画面の世界に嫌気が差し、アラームをセットして目を瞑れば明日がやって来る。気怠い身体に鞭を打つのではなく、自らの怠惰な気持ちに従う様に身体を引きずりながらスーツに腕を通し、満員電車に身体を押し込む。そんな朝が憂鬱だ。
人は易きに流れ、心地の良い言葉にだけ耳を傾ける
と、令和のうだつの上がらないサラリーマンの話はさておき、平成に流行ったマッチョイムズが影を潜めている。
沢山仕事をして良い車と良い時計を買って、良い女と遊んで付き合って結婚して・・・そんな価値観が令和に変わると共に平成に置き去りにされてきた。
自ずと頑張らなくても良い方向に身を任せる様になってしまい、「ラクしてうまくいく生き方」なんて本が売れて、Amazonで☆4.2/5.0になっている。
怠惰な自分のケツを叩いてくれるような話には耳を塞ぎ、都合の良い話には耳を傾け賞賛する。
ビジネス書ランキングを見ると、堀江貴文氏やNewsPicksBooksの様な平成マッチョイムズ本よりも、穏やかな内容の方がウケている。
人は易きに流れるものではあるが、果たして他人に身を任せた生活で、自分は満足なのか。
全肯定AVが売れる世の中は変わらなければならない
「ラクしてうまくいく生き方」が売れる様に、AVでも自分の背中をさすってくれる全肯定作品がトレンドだ。
何時の時代だって疲れた自分を癒してくれる存在は尊いものだが、令和の時代は求められすぎてる。
自分が頑張らなくても誰かが頑張ってくれるのではないか。自分が楽しくないのは上司のせい、会社のせい、社会のせいだ。何もかも誰かのせいにしてしまえば簡単だ。楽なんだ。
一方で平成マッチョイムズ本と同じく影を潜めているのは、ギラギラとした港区女子やキャバ嬢とのセックスを描いたゴージャスな作品。
時代の移り変わりと共に作品がリリースされてはいるが、スマッシュヒットとはならない。やはり時代の後押しがないと、どうにも主役になり切れない。
売れるAVが明確になり、それを起点として人気女優の階段を駆け上がる方が生まれるのは喜ばしい事であり、製作側も収益を生みやすい。
しかしながら全肯定AVが売れている様では、日本の「明るい未来に就職希望だわ」なんて口が裂けても言えないのだ。
ギラギラしたがめつい男と女のセックスを描いた、頑張って頑張ってやっとたどり着ける世界がAVで表現され、それを夢見て仕事を頑張りたい。
シティホテルで高級時計をテーブルに置き、イイいオンナのワンピースに手をかけ、高級ランジェリーを眺めながら唇を重ねたい。
自分はそう思うし、皆が思えばきっと明るい未来はやって来るはずだ。
堀江貴文氏は言った、「未来を恐れず、過去に執着せず、今を生きろ」と。
スティーブジョブスは言った、「stay hungry, stay foolish」と。
つんく♂はモーニング娘に歌わせた、「日本の未来は世界が羨む」と。
仕事に趣味に恋愛に熱中し、今を生きる選択を皆が採り、今の選択を信じでバカになって駆け抜けた時、日本の未来は世界が羨むものになる筈だ。
その時は、必ずギラギラした港区女子やキャバ嬢AVが売れる。加えて業界全体の流入額も大きくなる。
自分の股間が現役である内に、そんな時代に巡り合えたらと思う。