はじめに
伊藤舞雪さんが描く「かつての愛を取り戻すために奔走する夫婦」を描いた作品のレビュー記事です。
伊藤舞雪のセックスレス解消夫婦~すれ違い愛し合い~レビュー
セックスレス解消へ向かうまゆきち夫婦
夜の生活は無く、形だけの夫婦になってしまった2人。
妻の舞雪を思うがために働き、お金を稼ごうとするも、いつの間にか仕事人間になった夫。
3年間のセックスレスを経て、夫婦間の心の隙間を埋める様に、他の男に手を出す妻。
すれ違い生活の中でも舞雪の異変に気付き、他の男の存在を知った夫は、舞雪でも浮気相手でもなく自分に腹が立ち気持ちを改めた。
真剣にもう一度、舞雪と向き合おうと。
休みを使って朝から手料理を振る舞い、ランチしにお出掛けし、自宅に戻りセックスをする。
2人が熱く愛し合い求め合っていた日を思い出すかの様な1日を体験し、あの頃を取り戻した。
頬に手を当てながらキスをして、好きと何度も言いながら舌を絡め、互いの身体を丁寧に愛撫し合い、体温を感じ合うセックスで絶頂を迎える。
2回目はすれ違いが続いた原因について話し合いをした後、舞雪がリードする形で。
3回目は自宅で夫のお誕生日を祝った後に。舞雪と俺の子供が欲しいと真っすぐに告白し、ドスケベ孕まし生中出しセックス。
最後は「全部欲しいから抜かないで」と、精液を一滴も逃さぬように腰を掴んでいた。
ドラマ仕立てで抜ける4つの要素
ドラマ性が有る作品として完成度が高い一本。
高級ホテルでの男女の熱いまぐわいを見せるのではなく、2人の関係値をユーザーに分からせた上で見せるセックス。
ただひたすらに貪り合うのではなく、「好き」等の言葉による愛情表現を織り交ぜながら愛を深めていく。
両手繋ぎ正常位は強く愛を感じる
ドラマ作品で抜ける要素は複数あり、2人の関係性・心情の移り変わり・各チャプターの変化点・エンディングに向けての起承転結の4点がしっかりと描かれていると、自ずと抜ける素晴らしい作品に仕上がる。
本作においては次の様に表現されており、完成度が高かった。
4つの要素
関係:セックスレスの夫婦
心情の移り変わり:すれ違いから離れられない相手に
変化点:過去を思い出し、ご奉仕し、子作りする
起承転結:すれ違い、反省、愛し合い、子作り
何れも夫婦ならではの要素であり、セックスレスに悩む2人が解決していく様は見る者を爽やかな気分にさせるものだ。
セックスシーンにおいてはアクロバティックな体位を用いず、プライベートセックスで執り行われる様なゆったりめの正常位を基本としており、愛を深め合う夫婦のイメージ通りである。
ここでガシマン激ピス大絶頂潮吹きをしてしまっては酷い構成だと言うしかない。AVのセックスとして連想されるものではなく、夫婦のセックスを連想させるのだ。
決して先を急がず、時折肩に手を回して密着度を高めながらフィニッシュに持っていく。こんなセックス出来たら心も満たされるだろうと思えてくる。
抜けるセックスと抜けないセックス
本作で見せてくれたセックスは抜けるものだ。失礼を承知で言うと、ドラマ仕立ての1本だからこそ抜けるセックス。
これが"いかにもAVらしい"テカテカのライトやシーツの上で同じセックスをされると物足りなさが際立ってしまう。
大絶頂大痙攣といったタイトルを用いた作品では激ピス大絶頂が必須だが、本作はセックスレス夫婦が再び熱く愛し合う過程を描いたもの。
やはりAVらしいセックスではなく、どこか相手の体温と愛情を同時に感じ取れるセックスが映える。
この違いをユーザーは理解して見なければならないが、何も難しい話ではない。自分が感情的に入り込みやすい方に憑依したつもりで、主役になり切って見ればいいのだ。
決して激しいセックスだけがAVではなく、スローセックスも非常に抜き応えが有るAVになっていると分かる筈だ。
その答えはまゆきちが持っていた。